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研究内容の焦点化ー問いを見つけて育てる

キャリア研究ノートのイメージ画像

この記事では、問を見つけて育てるについて整理します。

主にトーマス・S・マラニー、クリストファー・レア『リサーチのはじめかた』を参考にします。

目次

参考書籍紹介

日経の書評で見つけたこの本、迷わず新刊で買いました。

スタンフォード大教授らが18年かけて磨きあげたリサーチの手法が詳解されています。

もしこの本に出会わなかったら、今も途方にくれていたかも・・
研究の入り口で困っている人にお勧めします。

トーマス・S・マラニー、クリストファー・レア『リサーチのはじめかた』
総合評価
( 5 )

以前、テーマを絞るというのが、あまりうまくいきませんでした。
つまり、よくわかっていなかったのだと思います。

新たなテーマに取り組みたいと思ったらこの本に立ち戻ることにしています。

研究を始める前の段階で途方にくれている、
テーマを絞るって何?どうするの?
という方に断然おすすめ。

リサーチのはじめかた

次の項目[『リサーチのはじめかた』のアウトライン紹介]で、目次に沿ってメモsimasita(というかほとんど目次をメモ)。
この手順に沿って自分の関心について掘り下げていくと、問いが明確になります。

私は、研究したいと思うテーマが出てきたら、
この本に立ち戻り、
下記の手順を踏みます。

自分の動機と価値観を大切にすることがベースになっているのが◎。

この記事を書いている今、下記の手順を踏むのは3回目になります。
初めての時より、2回目の時より、リサーチについての自分の理解が深まっていることを実感中。

最初からバッチリできてしまう人もいると思いますが。
何回もやってみる価値は十分にあるのでは。

『リサーチのはじめかた』のアウトライン紹介

第1部 自分中心の研究者になる

例えば、第一部「自分中心の研究者になる」第1章はこんな感じ。
やや詳しめに書きました。

もちろん、「自分中心」とはどういうことか、それぞれの「やってみよう」についての詳細等は、しっかり書かれています。全体で300ページ以上の、それなりにボリュームのある本です。

第1章 問いとは?

テーマは問いではない
やってみよう ―― 自分自身を検索する

目標:一次資料の検索結果を用いて、そのテーマのうち自分にとって最も関心のある側面を把握し、その関心に基づいて問いを作成する。

<日本語で検索できるデータベース>

当該書籍掲載

やってみよう ―― 退屈を手がかりにする

目標:積極的に嫌いと感じる自分の感情に注目、興味があるはずなのに持てない問いを特定する。自分のテーマに関係することでも、どんなことには興味がないのか理解することで、本当に興味があることを見極める。

やってみよう ―― やるなら思いきり小さく

目標:踏み込んだ調査を始める前に、自分のテーマに関する事実重視の具体的な問いを生み出す。それらの問いは、後でより大きな問いにつながる。

きみは問いを生み出した
反響板 ―― 研究ネットワークの構築に着手する

研究を進めるにあたり、相談したりアドバイスを求めたりできる人々のコミュニティを作る。教師、同僚、学生、研究仲間等、定期的に自分と意見交換をすることができる人のリスト。頼れる〈反響版〉はよい触媒になってくれる。

こんなふうに、各「やってみよう」で、実際に自分の研究に関する演習を行いながら読み進めていける作りになっています。

この形式が、第2章以降も続きます。

第2章 きみの問題は?

問いに飛びついてはいけない(問題をとらえ損なうことになる)
問いに対してストレステストを実施する
 やってみよう ―― 問いに診断テストを実行する
 やってみよう ―― 一次資料を使って問いを鍛える
 やってみよう ―― 思い込みを可視化する
 やってみよう ―― 問いと問いを結びつける問題を特定する
反響板 ―― 一次資料の手がかりを得る
ついに問題発生(よい意味で)

第3章 成功するプロジェクトを設計する

一次資料とその使いかた(あるいはシリアルの箱を読む五〇の方法)
 やってみよう ―― 一次資料をシリアルの箱と同じように扱う
 やってみよう ―― 一次資料を思い描く
点と点を結ぶ ―― 資料から議論へ
資料は自分を弁護できない
 やってみよう ―― 資料を用いて点と点を結ぶ(ただし鉛筆で)
研究資源の評価
 やってみよう ―― 意思決定マトリクス
反響板 ―― きみの意思決定マトリックスは完全か
二種類のBプラン
作業場を用意する
 やってみよう ―― 無から資金を生み出す(正式な研究計画書を作成する)
反響板 ―― 信頼できるメンターに研究計画書を読んでもらう
(ただしこれが予備的なものだと理解している人に)
きみはプロジェクトのスタート地点に立った

第2部 自分の枠を超える

第4章きみの〈問題集団〉の見つけかた

問題を共有する研究者を見つける
 やってみよう ―― 変数をひとつ入れ替える
 やってみよう ―― 前とあとのゲーム
 やってみよう ―― きみの集団を探す(二次資料検索)
きみの〈集団〉に合わせて書き換える
 やってみよう ―― 「仲間言葉」を見つけて書き換える
反響板 ―― 計画案の一般用語バージョンは意味が通るか?
きみの〈集団〉にようこそ

第5章〈分野〉の歩きかた

〈分野〉内の〈問題〉を知る
分野を読んでかれらの問題を知る:「文献レビュー」を再考する
 やってみよう ―― 「きみの問題はなに?」書店を開く(つまり、〈分野〉を〈問題集団〉で分類する)
 やってみよう ―― 他者の変数を入れ替える
 やってみよう ―― きみの〈分野〉に合わせて書き直す
反響板 ―― きみの〈分野〉で〈反響板〉を探す
きみの〈分野〉にようこそ

第6章 はじめかた

心配はいらない。ただ書くだけだ。
 やってみよう ―― 「第0稿」を作る
自分の言いたいことを理解する ―― 〈第1稿〉を書く
 やってみよう ―― 「0」から「1」へ
完璧は退屈
反響板 ―― 自分自身と対話する
自分中心的研究の世界へようこそ

おわりに 研究者としての未来、次に待つものは?

 やってみよう ―― 新しい問題を見つけて新しいプロジェクトを始める
 やってみよう ―― 他者を手助けする

終わりに

かつて20代の頃に大学院に在籍していた時、ここまでのことを教わることはありませんでした。

もし教わっていたら人生全然違っていただろうなあ・・

今の自分にさほど不満があるわけではないけれども、そう思わないではいられない。
再び大学院に入学する前に、この本に出会えたことを感謝しています。

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